日本語教師のための公開研修講座

2005年(第21回)
日本語学習のプロセスと評価
― 学習者の誤りをどう捉えるか ―

7月2日(土)

午後1:30〜1:45
挨拶 (社)国際日本語普及協会理事長 西尾珪子

午後1:45〜4:30 (途中15分休憩)
誤りへの対処法と学習者言語の評価のあり方
−第二言語習得研究と言語テスティングの接点を求めて−
小柳かおる 
(上智大学)

第二言語習得においてインパクトがあるとされる誤りの訂正(フィードバック)の方法、および、発達途上に必然的に生じる誤りを含む学習者の日本語の評価について考える。

<参考文献>
小柳かおる(2002)「展望論文:Focus on Formと日本語習得」第二言語習得研究会編『第二言語としての日本語の習得研究』5, 62-96.
小柳かおる(2004a)『日本語教師のための新しい言語習得概論』スリーエーネットワーク

7月3日(日)

午前10:00〜11:50
コミュニケーションにおける文法項目の評価
小林ミナ
 (北海道大学)

学習者のパフォーマンスを「誤用である」と判断する背景には「こう話す/書くべきだ」という規範がある。「コミュニケーションの一要素としての言語」という観点から学習者の誤用を再考する。

<参考文献>
小林ミナ(2000)「『何を』教えるかの再吟味へ−日本人評価研究の意義と限界−」『北海道大学留学生センター紀要』第4号
小林ミナ(2002)「日本語教育における教育文法」『日本語文法』2-1,日本語文法学会

午後1:00〜2:40
ライティング研究の立場から−学習者と共有するライティング評価−
田中真理 
(電気通信大学)

ライティング評価において教師は何を測り、学習者は何を測られているのだろうか。よいライティング評価とは何かについて考える。

<参考文献>
田中真理・長阪朱美(2004)「日本語と英語を目標言語とするライティング評価基準の展望:第二言語としての日本語のライティング評価基準作成に向けて」『第二言語としての日本語の習得研究』第7号 214-253
長阪朱美「学習者の英語ライティング能力の認識−エッセイの自己評価の分析−」『恵泉女学園大学 人文学部紀要』第15号 95-111

午後2:50〜4:30
教室場面における教師の言語管理
加藤好崇 
(東海大学)

誤用の発現から教師が訂正行動を実施するまでの間には一連のプロセスが存在し、その過程で誤用の非訂正などが生じる。ここでは、教師の学習者の誤用に対する管理プロセスについて考える。

 

<参考文献>
宮崎里司/ヘレン・マリオット(共編)『接触場面と日本語教育:ネウストプニーのインパクト』明治書院
加藤好崇「日本語学習者の誤用に対する教師非訂正行動」1997.7,『日本語教育』93, 26-37

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